自分の手を信じる。<日日是好日>
そもそも正座が大の苦手。
しきたりとか、決まりごとも苦手。
そんな私ですので、茶道とはまったく
縁のない人生でした。
黒木華さんが演じる典子も
親にすすめられて、しぶしぶお茶を始めます。
たぶん私と同世代。
映画の中では、週に一回の茶道の時間を軸に
20数年の時が流れて、典子さんは成長したり
壁にぶち当たったり、また新たな世界が開けたり。
我がことのように見守ってしまいました。
でも、どんなときも茶道の先生である樹木希林さんの、
温かい存在感と声が、なんとも心地よく
ずーっとこの映画の世界に浸っていたい気持ちでした。
「最初はカタチからつくって、あとから心が入る」
「頭で考えずに、自分の手を信じる」
茶道だけじゃなくて、
ダンスや音楽、仕事、料理、生きること
すべてに通用することかもしれません。
私の座右の銘は、「吾唯足るを知る」。
そのとなりに「日日是好日」も心に刻みたい言葉です。
この映画が、最後の作品なんて
かっこよすぎます。
いなくなってから、
私の中で、
樹木希林さんの存在が
どんどん大きくなっているこの頃です。